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新フランス大統領マクロン氏就任とフランス国民議会選挙のゆくえが気になる

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2017年5月14日にエマニュエル・マクロン氏がフランスの新しい大統領として就任しました。

大統領選挙で国民戦線のマリー・ルペン氏を破り勝利した時には、ひとまず安心しました。

 

 

フランス大統領マクロン氏は国民議会選挙後が本番

安心もつかの間、近日に「フランス国民議会」の選挙を控えています。いうなれば日本の衆議院にあたる国会議員の選挙です。

毎回大統領選挙と同じ年(2002年~)の大統領選後に行われ今年2017年は6月11日と6月18日に投票があります。

 

フランス大統領は大きな権限を持ちますが、行政運営はやはり国民議会の賛成が必要となるためフランスの政治運営に大きな影響を持ちます。

特に行政の実務者長の“首相”は支持政党からの任命が理想ですが、この最終決定は国民議会にあるため大統領支持(与党)が少ないと野党からの首相になり大統領の決定がうまく遂行されない事態が起こる可能性が高くなります。

このような状態を『コアビタシオン(Cohabitation)』といいます。首相を任命する権限は大統領にありますが、閣僚を任命する権限は首相にあるので政治運営の舵とりが極めて困難な状況です。

 

コアビタシオンとは?

コアビタシオン:大統領の出身政党と首相の政党が異なること。

フランスの大統領は大きな権限を持ち、首相は大統領が任命するか国民議会の多数派から選出されますが、最終的に国民議会の承認が必要となります。

大統領には首相を罷免(やめさせる)する権限がありますが自分と同じ政党の首相にする場合、国民議会の承認を得なくてはいけませんので、堂々めぐりとなるため、国民議会の選任した人を任命することになります。

そうなると、フランス大統領といえども首相(議会)の意向を汲まなければなりませんので、権限が弱くなることになります。

マクロン氏は大統領ですが、新しい政党(En Marche !)のため議会に所属議員を持っていません。政策を実行するには賛成者が必要なため大統領選と同じようにこの国民議会選挙はフランスにとって重要な選挙となります。

大統領選では国民戦線のマリー・ルベン氏を下しましたが、その結果の内容を見てみるとルペン氏への得票率が34%あります。現在の国民議会では国民戦線の議席は2議席ですが、この議席数が伸びる可能性があります。

選挙では既成政党の社会党(オランド前大統領所属)と共和党がマクロン氏の支持を訴えていましたが、議会はどの政党が与党にるかははっきりしません。(マクロン氏は中道を打ち出している。)

これまでのフランスの政治を塗り替えるマクロン大統領の今後の政治運営に注目です。

 

フランス国民議会選挙の基礎知識

  • 任期は5年、議席は577。

2002年の法改正により大統領の任期が7年から5年になったので、大統領選と同じ年に行われるようになりました。

577名のうち7名は海外領から選出されます。

  • 直接選挙

小選挙区制で1区1人が選出されます。こちらにも大統領選と同じように二回投票制が導入(だから選挙日が2日)されています。

選挙区内において1回目で選出される人は、有効得票数の50%(1/2)超で加えて登録有権者の25%(1/4)以上の票を得ないといけません。このような人がいない場合に2回目で決戦投票が行われます。こちらは登録有権者の12.5%(1/8)以上の得票を得た候補者同士で行われます。この場合、最多の票を得た人で決定となります。同数の場合は年長者。

現在マクロン大統領の政党En Marche !はすべての選挙区に候補者を擁立すると言っています。これまでに擁立が決まっているのは428人です。

候補者のリストが公開されていましたので参考までに。

>>>Présentation des candidats aux élections législatives(linternaute.comより)

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